|
|
第32号
|

|
文・写真●nite 画●CHAME
第20回・ボーダーを纏って
そこを通るたびに気になっているのだけれど、うまく言葉にできそうもないので、今まで放っておいたものがあります。
信濃川の最下流、新潟島の入船から対岸の山の下へ抜ける「みなとトンネル」を赤道の方へ出ると、右側に新潟火力発電所があります。そこには地面から突き出た煙突がそびえ立っているのです。 |
 |
|
普通の煙突だと思えば確かにそうなのだけど、気になるポイントがいくつかあるのです。
一つは、道路のすぐ横に煙突だけがむきだしで立っていて、すごく道路から近く感じること。周りには何本か煙突があるのですが、ここだけすごく道路に近いのです。なんでこんなとこに煙突があるんだろうと、そこを通るたびに首をかしげております。それに煙突の根本から見えるのも珍しくて、なんだか不思議な感じがするのです。
でも一番違和感をかんじるのは、この煙突がまるでボーダーのTシャツかセーターを着ているようにみえてしまうところです。それはパンクロッカーが着ていたようなモヘアのあれだったり、映画エルム街の悪夢」に出てくる殺人鬼のフレディーのそれだったりするのです。ボーダーになっているのが半分から上の部分なので、ちょうど上半身に赤と白のボーダー、下半身にグレンチェックのパンツを身につけた長身の男が、両手をぴったりと身体に寄せて、まっすぐに立って煙突を真似ているように見えるのです。まるで街の喧噪になじめずに街から離れて隠れている。そんなふうに見えてしまう孤独な煙突なのであります。
|
|
|
|
|